あらすじ
第二次世界大戦直後――
俺はすでに知っていた。
朝鮮半島で生きる日本人、森山新一。
日本の敗戦後も、この地に残った。
理由はただ一つ。
愛する妻と、生まれてくる子どものためだった。
だがある日、
米軍の友人スミスから告げられる。
「戦争が始まる」
それでも彼は――何も言えなかった。
この日常が壊れるのが怖くて。
家族を失うのが怖くて。
そして迎えた、1950年6月。
戦争は現実となる。
逃げるのか。
残るのか。
守るために離れるのか。
それとも、共に滅びるのか。
これは――
大きな戦争の中で、
家族を守るために、
父親にならなければならなかった一人の男の記録である。