あらすじ
50歳の冴えない中年男・山里ゆうは、いつも通り仕事帰りに街を歩いていた。
次の瞬間、視界が歪み、気づけばそこは――暗く湿った森の中。
見知らぬ大樹、聞いたことのない鳥の声、足元に広がるぬかるんだ土。
まるで現実とは思えない光景の中、誰も助けに来ない。
携帯も圏外、街の灯りも見えない。
ただ、息を殺しながら“生き延びる方法”を探すしかなかった。
さまよい続け、ついに見つけたのは岩山の裂け目――洞窟。
そこには、風を避け、雨をしのげるだけの静かな空間があった。
夜の気配が迫る中、ゆうはつぶやく。
「……ここを拠点にするか。」
特別な知識も、力もない。
ただの中年男が、見知らぬ世界で“生きる”ために歩き出す。
――それが、彼の異世界スローライフの第一歩だった。