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世界樹を守る仕事―― そう聞けば、もっと神聖で、やりがいのあるものだと思っていた。 だが実際の仕事は、 「世界を安定させるために、どこを切り捨てるか決めること」だった。 切れば評価が上がる。 迷えば被害が広がる。 善意も、努力も、すべて“想定内”。 正しい判断を続けるほど、 世界は安定し、 世界樹は静かになり、 ――なぜか、戻らないものが増えていく。 これは、 世界を救う物語ではない。 「切らないと決め続けることが、どれだけ難しいか」 その現場で、少しずつ壊れていく管理人の話。 世界樹って、 思ってたよりブラック企業でした。
Kindness was muted first. 優しさが、最初にミュートされた。 --- SNSで誰かを笑い、 困っている人を撮影し、 「譲ったら負け」とつぶやく日常。 それは小さなズルで、 誰にも迷惑をかけていないように見えた。 だがある日、 世界は日本にだけ反応しなくなる。 助けも、信用も、共感も―― すべてが「ミュート」された。 語り手は一匹の犬。 戦後を生きた老人のそばで、 静かに人間の変化を見続けてきた存在だ。 これは、 戦争も災害も起きないまま、 心だけが先に滅びていく国の物語。 「この国は、いつから 他人を切り捨てることで 自分を守るようになったのか?」 読み終えたとき、 その問いはあなた自身に返ってくる。 静かに怖い、 社会崩壊型パニックSF。