あらすじ
眠る前に、大切な記憶を一つ捨てることで強くなる――
そんな歪んだ力を持つ転生者の主人公は、
ついに“倒せない敵”と遭遇する。
街道に現れたのは、
記憶そのものを奪い、力の仕組みを把握している存在
――黒脈重兵(ヘモ・ガード)。
剣も、スキルも、ドラゴンの力すら通じない。
彼は命からがら王都へ逃げ込み、悟る。
このままでは、次は死ぬ。
なぜ自分は、記憶を捨てることで力を得るのか。
どんな思い出を捨てれば、どんな力が現れるのか。
そして――
敵はなぜ、それを“知っている”のか。
答えを求めて向かうのは、
記憶障害の記録が集まる医療院、
禁書が眠る王都の書庫、
そして人と噂と欲望が渦巻く“観測の中心”。
同行する少女・セリスは、問い詰めない。
だが、主人公が忘れていく“今”を覚え続ける。
足元には、世界を拒むように鳴く幼いドラゴン。
まだ小さいその存在は、やがてこの旅の鍵となる。
強くなるほど、人間でいられなくなる世界で。
捨てるか、守るか。
そして――調べ、選び、抗うために。
これは、
記憶を代償に戦う転生者が、
「捨て方」を学ぶために王都へ踏み込む物語。
観測される街で、
本当の戦いが始まる。