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十五歳の誕生日。 止まっていたはずのスマートフォンが、不意に光を灯す。 表示されたのは、知らない番号と、たった一言のメッセージ―― 「電話してください」 半信半疑でその番号にかけた少女の耳に届いたのは、 十三年前に亡くしたはずの母の声だった。 なぜ、いま、その声が届くのか。 なぜ、自分は涙より先に「言葉」を探してしまうのか。 波音の届く丘に佇む、白い電話ボックス。 誰にもつながらないはずのその受話器は、 今日も誰かの想いを未来へ運んでいく。 ――これは、“さよなら”で泣く物語ではない。 “ただいま”と“おかえり”を重ね、未来へ進むための物語。
天城凪は、未来の断片を“視る”ことができる高校生。 けれどその力は、かつて最愛の妹・灯を救えなかった痛みと結びついていた。 未来を視て、避けようとしたその声が、彼女の命を奪ってしまったのだ。 それ以来、凪は他人と距離を置き、ただ静かに過ごしていた。 そんな彼の前に現れたのが、同じ学校に通う少女・白石璃子。 彼女は人の心の“揺れ”を感じ取る不思議な感受性を持っており、凪の孤独を見抜いたように近づいてくる。 ある日、凪は未来視でひとりの少女の死を予知し、 とっさに行動してその命を救う。 だがその少女が璃子の親族であり、 さらに凪の「妹の死」に何かの因縁があることが明らかになっていく。 「未来は変えるものじゃない。選ぶものだよ――」 妹の残した言葉に導かれ、凪は再び未来と向き合う決意をする。 “視える未来”と“視えない心”が交わるとき、 彼が手にするのは、赦しなのか、それとも――。