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薄暗い洋室で薬瓶を口元に運ぶ。 傾いた瓶から錠剤が口にこぼれ落ちた。まぶたをゆっくり閉じ茜は終わりを待つ。 しかし静寂は見知らぬ足音によってかき消される。 「誰もいねえな‥‥」 小声で話す男は浴室で沈んでいる茜を見つけて絶句した。そして異様な様子の茜に違和感を覚える。 「お前、死ぬのか?」
目を覚まし、おはようをする。 声なき海月はただ水槽を舞うのみ。 その姿を私は羨ましく思う。
浴槽とは汚れを落とす、心を落ち着かせるもの。 温かい湯に浸かれば、自然とほぐれる。 しかし浴槽は人の穢れを溜め込むものでもある。 会社でのひどい扱い、恋人とのいざこざ、罪の後悔。 溜まったモノが溢れ出す。 その時人は本来の姿を取り戻す。 何人かの主人公が別の人生を歩みながらもどこか共通する空気を持つ。 浴槽を境界につながる現代ドラマ。