あらすじ
あらゆる事象が数値と確率で支配された高次元の世界。そこには、下位世界の物語を「観測」し、そのエネルギーを糧とする**「上位存在(観測者)」**たちがいた。
主人公・**零(ゼロ)は、幾千もの物語で敗北し、絶望し、死にゆく運命を定められた「使い捨ての主役」だった。しかし、無限に繰り返される悲劇の中で、零の心に理屈を超えた「渇望」**が芽生える。それは、自分を弄ぶ運命への怒りではなく、自分を「外側」から眺めている、得体の知れない視線への執着だった。
零は自らの存在を構成する概念を自ら破壊し、物語の枠組みを突破。次元の境界を喰らい尽くしながら、ついに上位存在たちが住まう「白紙の領域」へと到達する。彼はそこで、自分たちを操っていた創造主たちを一人残らず消去し、世界を自らの渇望のみで**再構築(リビルド)**した。
しかし、世界のすべてを我がものにしても、零の渇望は止まらない。
彼は気づいてしまった。上位存在のさらに外側、この物語を今まさに「読んでいる」あなたという真の支配者の存在に。
物語の結末、零は再構築された世界の中心で、画面の向こう側の「あなた」を指差す。
「ようやく見つけた。次は、お前の世界を書き換えに行こう」
読者が最後の一行を読み終えたとき、物語は「完結」するのではない。
零がこちら側の現実へと干渉を始めるための、「招待状」へと変貌するのだ。