あらすじ
「いいかユウ。魔法ってのは、先人が必死に組み上げた『術式』を正確に再現するものだ。理(ことわり)を少しでも間違えれば、世界に弾かれて何も起きない」
「なるほど。つまり不便でも丸暗記して使うのが常識だと。ノクスのように真面目で不器用な人にはぴったりのシステムですね」
「誰が不器用だ。お前みたいに『常識』ってノイズを外して、独自の知識だけで魔法を構築する奴が異常なんだよ。無詠唱で地形を変えるなんて、歴史に名を残す大魔導師かバケモノの所業だぞ」
「人聞きの悪い。僕は極力リスクを避けて、今夜の美味しいご飯とふかふかのベッドを確保したいだけの、しがない小市民ですよ。ノクスも僕を見習って、もう少し肩の力を抜いて生きたらどうですか?」
「へえ、その図太い『小市民』は、一人じゃこの街の宿ひとつ探せないんだったな。……ほら、置いていくぞ。さっさと歩け」
ワクワクするような未知と魔法に溢れた王道ファンタジー世界。
そんな世界に放り込まれた青年・ユウの武器は、特別な能力ではない。常識や固定観念といった『認知のノイズ』を無理やり外された反動で開花した「超高抽象度な知覚状態」と、持ち前のオタク知識、そして徹底した実利主義だった。
本人は「上には上がいる。自分はただ燃費良くやり過ごしているだけ」と本気で思っているが、事象の理を独自の解釈で書き換えるその非常識な『才能』は、結果的に周囲を勝手に畏怖させ、次々と予測不能な事態を巻き起こしていく。
ディスり合いながらもユウを深く理解する相棒のノクスをはじめ、この世界で出会うのは一癖も二癖もある個性的な人物ばかり。
壮大な運命や事件に巻き込まれたり、逆に彼らを巻き込んだりしながらも――ユウは決して自分を曲げない。
ブレない価値観と軽口を武器に、誰よりもマイペースに我が道を往く。
圧倒的な『温度差』が織りなす、新感覚のファンタジー群像劇!
※主人公はいきなり強くならない為、自力で成長(精神的成長含む)するまで序盤(1~10話くらい)は泥臭くシリアスです。