あらすじ
成人を迎えた者に固有スキルが与えられる世界。
十六歳の少年エンが授かったのは、役に立たないと笑われた不遇スキル《球術》だった。それは「球体を自在に操る」という、一見して用途不明の能力。冒険者としての将来を期待されることもなく、半ば諦めかけていたエンだったが、偶然出会った鍛冶職の少女カナとの出会いが運命を変える。
カナの持つスキル《均形鍛冶》は、特別な武具を作れない代わりに、常に均一で精度の高い武具を生み出すもの。一族からは平凡と見なされたその力で作られた“完全な鉄球”は、エンの球術と奇妙なほど噛み合っていた。
球を操り戦場そのものを組み立てていくエンと、現実的な視点で支えるカナは、少しずつ実績を積み重ねていく。
やがて二人は、強さとは「敵を倒す力」だけではないと知る。戦場を制御する者、安定を生み出す者、そして決定打を放つ者。仲間との出会いを経て、エンの球術は常識外れの戦い方へと進化していく。
これは、不遇と呼ばれたスキルが居場所を見つけ、仲間と共にダンジョンを攻略していく冒険活劇である。