あらすじ
「二人でいれば、どちらかの夢が壊れる。それは悲しいくらいに正解だった」
5年前、1Kの狭い部屋で私たちは、お互いの未来を削り合いながら生きていた。
深夜に響く彼のキーボードの音と、早朝に鳴る私の目覚まし時計。
好き合っているはずの時間は、いつしか互いの「明日」を奪い合うノイズへと変わっていく。
共倒れを避けるために、私たちは、一番痛くて一番正しい「さよなら」を選んだ。
5年後。私は自分の店を持つセラピストとして、彼は注目のベンチャー社長として、それぞれの場所で、それぞれの新しい光の中にいた。
経済誌のインタビューで微笑む彼の顔を見たとき、私はようやく、あの日部屋に置いてきた涙の「答え合わせ」を完了する。
これは、ただの失恋の物語ではない。
あの日の寂しさを抱えたまま、なりふり構わず走り抜けた二人の、残酷で、平等で、美しい、再会の記録。
Inspired by 「ソラニン」 / ASIAN KUNG-FU GENERATION