あらすじ
「地獄ってさ……どこにでもあると思わないか?」
暗黙の階級が存在する街、東京新帝都で殺伐とした日々を送る殺人課刑事、九条坂久吾。彼が密かに愛する母親違いの妹、雨宮櫂は、定期的に血を摂取しなければ生きていけないという誰にも言えない秘密を抱えている。
櫂に恋する霧原秋は普段は明るい少年だが、闇に対する異常な畏れから逃れることができず、自ら左目を抉った過去がある。彼の双子の妹である霧原留可は父親からの愛を得られず自分を好きになることができずに、ドラッグと暴力に依存している。
街では人の心と身体を蝕む新種のドラッグ、プラシーボが蔓延り、無邪気で身勝手な殺意を心に隠し持つ青年、奈津川葉月による猟奇的殺人が繰り返されている。
純粋な正義感で殺人犯を追う久吾の相棒、櫻木、久吾とはただならぬ関係である美貌のバー店主ケイラ、謎めいたクラブオーナー呉、何者かから逃げ続けるドラッグディーラー川西、裏の顔を持つ大企業CEO藤堂、そして十三年間に行方知れずになったままの櫂の母、美怜……。
愛憎と個々の思惑が交錯するこの街で彼らが最後に辿り着くのは地獄の入り口か、それとも――。
失って何かを得るダークストーリー。