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一九八一年、夏。 厚生省の若き医系技官・時田涼子は、英国から届いた一通のテレックスに目を留める。 それは、世界各地で報告され始めた**「男性だけが急速に悪化する」**未知の症例だった。 異変は、静かに日本へ入り込む。 病院で、家庭で、官庁で、職場で、男たちがひとりずつ欠けていく。 それでも社会は、すぐには非常時の顔をしない。 日常を装ったまま、取り返しのつかない場所へ進んでいく。 現場の悲鳴、政治の計算、家族の祈り。 これは、沈黙のうちに始まった崩壊を描く、昭和日本パンデミック群像劇である。