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我が家で一緒に暮らし始めてから3年半ほど。自宅でお留守番でなく、初めてペットホテルという所で一晩、預かってもらうことに。
朝はいつも、決まった音から始まっていた。 彼女が起き、台所に立ち、湯を沸かす音。その背中を見ているだけで、語らずとも安心できる日常があった。 しかしある日、その音は途切れる。 部屋に残されたのは静けさと、わずかな生活の気配だけだった。 昼は窓辺で光を追い、夜は扉の前で耳を澄ませる。 誰かが来ても、いつもの距離感や音の順番は戻らない。 時間は進み、静かな違和感だけが積み重なっていく。 ある朝、部屋の空気がわずかに変わる。 聞き慣れた気配、鍵の音、そして探していた声。 そんな存在を、静かに描いた物語。