あらすじ
ブラックな建設現場で納期に追われていた一級建築士・サトウは、突如として魔王軍の「召喚の儀」に巻き込まれる。しかし、そこは「異世界の救世主」を求める感動の場ではなかった。
召喚先は、今にも崩落しそうな欠陥だらけの魔王城・玉座の間。 目の前で繰り広げられる勇者と魔王の決戦をよそに、サトウの「職業病」が爆発する。 「おい、この城……雨漏りしてるし、耐震強度が絶望的だぞ。これじゃあ決戦の前に全壊だ!」
サトウが持つ固有スキルは、現代日本の建材や重機を等価交換で召喚できる【異世界マテリアル・カタログ】。 戦う気ゼロのサトウは、なし崩し的に魔王城の「現場監督」に就任。元エリート突撃隊長のヒロイン・ディアドラを「現場助手」に任命し、魔王城の劇的ビフォーアフターを開始する!
隙間風だらけの玉座には「床暖房」。
衛生的でない厨房には「最新システムキッチン」。
侵入者を迷わせるだけの城下町には「都市計画と道路標識」。
次第に魔国は「恐怖の象徴」から、世界で最も「住みたい国」へと変貌を遂げていく。一方、利権を脅かされた聖王国は、サトウを「異端の建築士」として排除しようと動き出すが……。 「コンプライアンス無視の増築なんて認めません。壊すなら、私の許可を取ってからにしてください」
これは、一人のサラリーマン建築士が、釘一本、ネジ一本から異世界の常識を塗り替えていく、前代未聞のインフラ整備ファンタジーである。