あらすじ
「どんな悪党にも掟がある」
けれど、ダンテ・ソーヤーのそれは一つだけ。
彼は身分の存在しない流れ者で悪漢だ。
だが、その胸に宿るのは正義なき悪党の正義である。
相棒は拘束衣の少女イヴ。旅する二人はとある町へ辿り着く。
そこは暴力を法とする、裏社会の組織が支配する世界だった。
剣と魔法、そして異能が入り乱れ交差する混沌の中。
信頼も、愛情も存在しない利害関係で結ばれた二人は、
「決して他人に自分たちの正体を悟られてはいけない」
「どちらかが下手を打てば、いつでも切り捨てる」
このルールを互いに暗黙の了解として抱えたまま、暴力の渦に巻き込まれていく。
権力が腐敗した町で二人の悪党は互いの罪と向き合い、その果てに何を見るのか。
これは先の見えない旅路の物語。
だが、ひとつだけ確かなことがある。
――退屈な悪は要らない。
異端のピカレスク異世界ファンタジー、ここに開幕。