ページ:1(1件表示) / タグ一覧へ
改革の風を起こした玲衡(れいけい)に、突如として「異国商人との癒着疑惑」がかけられる。 提出された文書には彼女の筆跡を真似た偽証。 庁の重臣たちは理(ことわり)を恐れ、文(秩序)を守るために一人の 女官を切り捨てる。 それでも玲衡は、理は冷たくないと信じ続けた。 冬の夕暮れ、彼女を見送るサヒルが言う。 「風は壁を恐れません。壁のほうが、風を恐れる。」 玲衡は振り返らずに答える。 「理が潰えるなら、私ごとでいい。」 ――文で理を封じた国に、風の神は沈黙する。 けれどその沈黙こそが、新しい理の始まりだった。