あらすじ
圧倒的な魔力と、「無詠唱魔術」を操る唯一の魔法使いである少年ヴァイス。魔法戦闘では鬼神の如き強さを伐り、追随は許さぬほどだった。しかし、それは、比類なき天賦の才と称揚されるようなものではまったくありはしなかった。
戦場に立つための魔法使いとしてはあまりにも身体が弱く、日の下で出るだけで、その薄膜のような肌膚を焼かれてしまう。
脆いのは容器の身体だけでなく、内側の精神も未熟そのものであり、言葉を話せないので、自我が萌しているのかすら判然としない。
詮ずる所、人としてはあまりにも不完全であり、「白痴」であった。
「魔法的存在者」と定められたヴァイスの、人に漸近していく、決して長くはない畢生のお話……。
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