ページ:1(1件表示) / タグ一覧へ
三月、 白い封筒が届いた。 差出人は、 白嶺中央総合病院附属看護専門学校。 入学して初めて知った。 この学年で、男子は自分一人だけだった。 教室。 演習室。 更衣室の前で止まる足。 病棟実習で初めて触れた、他人の体温。 そこには、外からは見えない秩序があった。 言葉にされない距離。 暗黙の役割。 そして、沈黙。 看護を志したわけではなかった一人の学生が、 その世界の内側で過ごした三年間。 これは、 男子看護学生として存在した、 一人の記録である。