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冬の深夜。築五十年のアパートは外気と変わらぬほど冷え切っていた。布団の中に逃げ込んだ孤独な空間を支配する、底知れぬ静寂。 だが、安全地帯であるはずの六畳間に、突如として鉄錆と泥の腥(なまぐさ)い匂いが混じる「何か」の気配が満ちていく。 逃げ場のない凍えた部屋で味わうシンプルな恐怖。