あらすじ
フランス近世史を専門とする歴史学者、神代史織(かみしろ しおり)。 彼女は「マリー・アントワネットは歴史の犠牲者であり、夫のルイ16世は無能な王だった」と講義で熱弁するあまり、過労で命を落とす。
目覚めた時、彼女は14歳のマリー・アントワネット本人になっていた。 そこは1770年のヴェルサイユ。彼女が知る「終焉」の始まりの場所。
絶望する史織が見つけたのは、白紙の日記帳。 しかし、史織が触れると、そこには「未来のマリーが体験するはずだった苦悩と、誰にも言えなかった真の願い」が浮かび上がった。 日記が告げる運命――何をしても「ギロチン」は回避不可能であると、彼女は悟る。
(歴史は彼女を「悪役」として断罪した。私自身も、彼女の真実を見誤っていた……!)
史織は決意する。これは「贖罪」なのだと。 目的は「延命」ではない。 日記に記されたマリーの「未完の善行」を実行し、たとえ結末が同じでも、そこに至る「生き様」を、「真実の王妃」の高潔なものに変えてみせる。