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同じ日に、同じ出版社から現れた二冊の本。 白い表紙と黒い表紙。異なる著者名。だが、内容は一字一句同じだった――。 「双子本」と呼ばれたその奇妙な現象は、SNSを通じて瞬く間に全国を席巻する。 詐欺か、新手のプロモーションか、それとも文学史に刻まれる実験か。 批評家も読者も熱狂し、出版界さえ翻弄された「双子本問題」は、やがて一つの社会現象へと膨れあがっていく。 20年後、忘れ去られたはずのその本を手に取ったのは、一人の少女。 母から「くだらない」と言われたその一冊は、彼女に深い感動を与え、静かに物語を継いでいく。 文学の価値とは何か。本を読むとはどういうことか。 ――これは、時代と人の心を揺さぶった“本そのもの”をめぐる物語である。
この物語の舞台となるのは、加羅琉学園。 この学園は受け入れる対象は中学校卒業後の人のみ。すなわち通常の高等学校と変わらない。しかし3年制ではなく、6年制。この学園は地域から多くの人が集まる。この学園は特殊な制度を持ち、この加羅琉に争いは後を絶たなかった。その最大の理由は「氏(うじ)」という集団を作る制度である。この学園では主に3つの氏が存在している。刹那氏(せつなうじ)、亜夜芽氏(あやめうじ)、導氏(しるべうじ)の3つである。考え方の違いであり、生徒は似た考えを持つものに所属する。 これはそんな、現実に起こりうるもの全てを大袈裟に表した特殊な学園と世界の物語である。誰しも現実の真の姿には気づかない。「社会パラドックス」はまさにこの世の闇そのものだ。