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吟遊詩人は真実を歌わない。 名を持たぬ吟遊詩人である語り手は、剣も毒も使わず、歌によって三人の英雄を殺してしまったと告白する。 彼の歌は断罪でも称賛でもない。ただ起きた事実をなぞるだけだった。それでも歌は人々の解釈を呼び、英雄は生きながら居場所を失っていく。沈黙しても、拒んでも、歌は広まり、誰かが代わりに歌う。 やがて彼は、自らの物語を望む四人目の英雄を歌い、悟る――歌えば、自分もまた死ぬのだと。