あらすじ
同じ夜、同じ地球。
それでも、祝える命と、祝えない命があった。
………
吾輩は犬である。
新しい主人と共に、パレスチナで暮らしている。
初めて迎えたクリスマスイブの夜、
吾輩は知ってしまった。
同じ暦、同じ地球、同じ人間なのに、
「祝っていい町」と「祝ってはいけない町」が
同時に存在しているという現実を。
イエス・キリスト生誕の地・ベツレヘム。
灯りがともり、聖歌が流れ、人々は静かに夜を祝う。
その一方で、同じパレスチナにあるガザ地区では、
名前も顔も失われ、数字だけが積み上がっていく。
なぜ同じ国で、同じ夜に、
ここまで扱いが違うのか。
宗教とは何なのか。
正義とは、物語とは、誰のためのものなのか。
犬の視点で描かれる、
「世界でいちばん静かなクリスマスの物語」。
読み終えたとき、
あなたの“当たり前の夜”は、
少しだけ違って見えるかもしれない。