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空襲の火の粉が舞う冬の終わり、孤児のリリカは光を失った地下壕で「太陽は死んだ」と絶望に震えていた。 薄汚れたコートの男・安藤は、劇場の廃材で壁一面に巨大なひまわりを描き、最後のアンパンをその中心に埋め込む。 それは、飢えと恐怖に支配された大人たちの嘲笑を背に、子供たちの心へ「春」を密輸するための、命がけの祈りだった。
私、門倉紀依は高等女学校五年生、十七歳。 卒業を控えた三月十日、全ての始まりはあの日だった。 親友の桜を探しに、空襲で焼け野原の浅草に足を踏み入れた。 そして桜の入院した病院で出会った、じゃなかった…… 再会したのは、あの時の—— ◆◆ 昭和二十年三月十日――東京の東半分が燃え尽きた、東京大空襲の翌日。 卒業を間近に控えた高等女学校五年生の門倉紀依は、親友を見舞った病院で運命の再会を果たす。 それは一ヶ月前、多摩川で敵の戦闘機に襲われた自分を救ってくれた、陸軍の戦闘機パイロット。 撃墜王・本田史郎、二十歳。 「あの時の日本の戦闘機の!」 「多摩川でグラマンに追われてた!?」 ◆◆ ※太平洋戦争末期(昭和20年)を舞台としています ※高等女学校5年生は現在の高校2年生相当で、最終学年です。 ※ハッピーエンド予定 ※別で連載中の「あの夏の空に君と飛ぶ日は二度と来ない」の、紀依視点、一人称版です!