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T区のIT企業で働く事務員・「私」は、日々の生活を「コスト計算」と「情報の提出」として処理している。上司への報告、友人への相槌、恋人への共感。世界が強要するあらゆるアウトプットに倦怠を感じていたある日、彼の喉の奥に、不溶性の「黒いインク」が溜まり始める。 それは、飲み込み続けてきた「未提出の言葉」の成れの果てだった。 インクは次第に肉体を内側から塗り潰し、硬質な結晶へと相転移していく。救済を差し伸べる知人、心中を提案する元恋人。それら外部のノイズを「高コストな不純物」として冷徹に棄却し続け、彼は究極の密閉状態——誰にも読み解かれない「黒い彫像」への昇華を目指す。 一方、その「沈黙」の種子は、彼という第0号患者を起点に、静かに、だが確実に社会へと伝播し始めていた。
結晶化する病は、触れたものすべてを結晶化してしまうタイプと、自分の内部から結晶を生み出すタイプの二通りある。片方は隔離され、もう片方は普通の生活を営むことができるが、最終的にどちらも全身が結晶化してしまう。 そんな世界で、結婚を控えた恋人たちがいたが、男が病にかかってしまった。悲惨なことに、触れたものを結晶化してしまうタイプで、男は婚約を解消し自ら隔離されることを望んだ。 しかし、女の方は共にいることを望み諦めないため、女の両親が女を軟禁してしまう。 共にいることを望んだ恋人たちのお話。 ※状態変化した人間を食べる描写があるので、苦手な方はご注意ください。グロテスクではなく、耽美系の表現を目指しています。 ※【結晶化する病に纏る欠片たち】という同人誌に収録しています。短編を最後までまるまる読めます。中身のサンプル文としてもどうぞ。 ※他サイトにも掲載中。