あらすじ
県立朝凪高校、旧部室棟の一室。
非公認組織「恋路工作室」は、恋に悩む生徒の依頼を受ける。
告白の設計。撤退線の確保。言葉の翻訳。
ただし──心は、操作しない。
団長・桐生玲奈が敷いたルールの下、「翻訳者」高瀬恒一は依頼者の本音を言葉に変える。実行班長の天野陽太が場を動かし、記録係の柊凛花がすべてを書き留める。
匿名掲示板の噂。正義の暴走。忘却を売る謎のアカウント。
依頼を解決するたびに、工作室自身の秘密が削れていく。
そして翻訳者は気づく。
他人の恋は翻訳できるのに、自分の感情だけが翻訳できない。
恋を「勝ち負け」から降ろす学園群像劇。
完全救済は約束しない。しかし、痛みと一緒に生きる言葉を見つければ──恋路は続く。