あらすじ
会社帰りの事故で、あっさりと命を落とした主人公。
転生先で出会ったのは、やけに事務的でコンビニ店員のような態度の天使だった。
業務連絡のように告げられた次の人生は、異世界での「斧戦士」。
魔法も剣も選べず、前線職として生きることだけが淡々と決まっていく。
転生者特典として与えられた初期パラメーター振り分け。
だが操作ミスにより、主人公は全25ポイントを「知性」に割り振ったまま確定してしまう。
取り消し不可。職業変更不可。説明は最低限。
こうして誕生したのは、
力も体力もないが、知性だけが異常に高い斧戦士だった。
転生直後、説明もないまま始まるチュートリアル戦闘。
相手はゴブリン。通常なら斧を振り回して倒す相手だ。
だが主人公は、斧を振らない。
地形、重心、動線、恐怖――戦場の「構造」を読み、
一撃で敵を斬るのではなく、戦いそのものを崩す。
それは技でも奥義でもない。
考えた結果、斧がそこに「置かれていただけ」の戦い方。
やがてその思考は言語化され、整理され、
「斧学八計」(ふがくはっけい)と呼ばれる戦闘理論として広まっていく。
斧とは、人を斬る武器ではない。
関係を断ち、構造を割り、戦場を終わらせる道具だ。
振られない斧が、戦況を変える。
存在しないはずの一撃――「虚数斧術」が生まれたとき、
世界の戦争観と「戦う」という概念そのものが、静かに壊れていく。
これは、
斧戦士に転生した男が、知性に全振りした結果、
新しい学問を作ってしまう物語。