あらすじ
「この計画には、実現可能性がありません」——その一言が、すべての始まりだった。
高校二年の相馬鏡の信条は、「面倒ごとは専門外」。文化祭実行委員会でも、最後列から全員をコントロールし、自分は絶対に傷つかない「観客席」に居座り続けていた。
だが、委員会で孤立していく氷室玲奈を眺めながら、彼は気づいてしまう。
あいつを追い詰めているのは、悪意じゃない。「みんなのため」と本気で信じる生徒会長の、完璧に正しい善意だ。
逃げ場を失った氷室が、最悪のタイミングで「共犯者」を求めてきた。
——嘘つきの俺に、嘘を教えてくれと。
誰も悪くない地獄で、二人の最低な嘘つきが、善意という名の処刑に反旗を翻す。
正しい側にいる、その確信は——本物か?