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国道沿いの総合病院・東河医療センターに、半ば都市伝説の“安全帯”がある。黒い弔い帯を模した布切れを重症ベッドの柵に固く結ぶと、その夜だけは患者が落ちない。翌朝、隣のベッドには別の患者が運び込まれ、昼までに1件の死亡退院が記録される——“守った分だけ払う”安全。臨床工学技士の向坂悠真は、ICU当直の夜に母の急変で一般病棟とICUを奔走する。取り乱した妹は「噂の黒帯を結んで」と泣き、当直看護師は目を逸らす。悠真は一度だけ禁忌に手を伸ばし、夜明け、母は持ち直し、隣床の若い交通外傷患者が心停止で戻らなかった。 ・・・