あらすじ
花と占いのカフェを営む少女、周防璃里衣(すおう りりい)。
祖母から受け継いだ花屋を改装した小さな店 Poesia Floreale で、花を飾り、ハーブのお茶を淹れ、タロットや星詠みで訪れる人々の悩みにそっと寄り添う穏やかな日々を送っていた。
いつか世界を見てみたい――。
そんな夢を叶えるため、璃里衣はバックパッカーとして旅に出ることを決意する。
しかし旅立ちの夜、不思議な光に導かれ古い鳥居をくぐった瞬間、彼女の世界は一変した。
目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中の小さな家。
だが同時に、彼女は思い出す。
自分がかつてこの世界に生きていた少女「リリィ」だったことを。
この国、レミネス王国では神の声を聴く少女が聖女として選ばれる。
貴族の家に生まれたリリィも聖女候補だったが、彼女には霊感も奇跡を起こす力もなかった。
聖女選定の日、森の家で倒れた彼女はそのまま命を落とし、記憶のないまま生まれ変わった日本で「璃里衣」として生きていたのだった。
そして今――
二十年の日本での人生を経て、彼女は再びこの世界へと戻ってきてしまった。
日本の記憶と、リリィとしての過去。
二つの人生を知る少女は戸惑いながらも決める。
今度は誰かに決められた道ではなく、
自分の意思で人生を選んで生きていこうと。
森の家の庭には、色とりどりの花。
そして彼女の手元には、花詠みのタロットカード。
花と言葉、そして占い。
それが彼女の力だった。
花の意味を読み、人の心に寄り添い、カードに問いかける。
そんな静かな暮らしを始めようとするリリィ。
だがやがて彼女は王都を訪れ、聖女選定をめぐる騒動、王家に隠された秘密、そして孤独を抱える王子と出会う。
花詠みの占い師として人の心を癒す少女と、運命に翻弄される王子。
二人の出会いが、やがて王国の未来を大きく動かしていくことになる。
これは――
異世界にUターン転生してしまった花詠み占い師が、花とタロットで人と運命をつないでいく物語。