あらすじ
北の帝国を倒したあと、
暗殺者アッシュは主君であるジョージア・フォン・ギルバートのもとを去り、外の世界へと歩き出した。
彼の仕事は要人暗殺。
だが、それは単なる復讐でも、正義の執行でもない。
帳簿によって人を「数」に変え、
静かに消していく仕組みそのものを断ち切るための刃だった。
村で、街で、
救われる者と、救われない者がいる。
正義は立場によって姿を変え、
誰かの正しさは、別の誰かを苦しめる。
アッシュは語らない。
名乗らない。
称賛も求めない。
ただ、仕組みを動かす「手」だけを切り、
夜がこれ以上濁らないように歩き続ける。
やがて依頼主の裏切り、
暗殺者狩り、
そして世界そのものからの「消去依頼」が現れる中で、
アッシュは最後の選択を迫られる。
これは英雄の物語ではない。
世界を救う話でもない。
ただ――
何も起きない夜を残すために、
静かに刃を振るった一人の暗殺者の記録である。