あらすじ
「この街の『粋』も、私の『願い』も、全ては偽物だった?緋色の瞳を持つ花魁が、その真実を暴くまで。」
猫たちのパラレルワールド――それが、華やかで活気に満ちた「ニャレドネコマチ」だ。
この江戸情緒あふれる猫の世界では、「粋」を哲学とするプロデューサーの雄猫、つたねこやが、版元兼雑貨店「TUTANEKOYA」を営んでいた。彼の情熱と、天才絵師MIKEMARUの筆が生み出す四天王(花魁のNEKOODAYUU、力士のRAINYANなど)グッズは、町の文化を牽引する大人気ブランド「猫組」の誇りである。
つたねこやは、清らかな鈴の音を持つ町猫娘、すずに密かに心を奪われていたが、お互いがお互いを「高嶺の花」だと勘違いする、甘酸っぱいすれ違いの日々を送っていた。
しかし、すずの簪の鈴は、次第に「願いの残滓」の力を覚醒させていく。
清らかな鈴の音は、いつしか「呪い」と化す。
すずがデザインに携わった製品に触れた猫たちは、存在しないはずの「幸せな記憶の幻影」や「美しくも寂しい未来の光景」を見るようになる。この現象は、ニャレドネコマチの「現実」を根底から揺るがし始めた。
そして、この異変の背後には、「緋色の瞳」を持つ謎多き花魁、NEKOODAYUUの静かなる存在があった。
これは、「泥臭い現実」と「清らかな願いの呪い」の狭間で、プロデューサーとしての魂と、一匹の雄猫としての愛を試されるつたねこやが、世界の真実と愛する女性の抱える宿命に立ち向かう、和風ダークファンタジー。