あらすじ
この世界には、蘇生がない。
戦闘不能は、そのまま「終わり」を意味する。
冒険者ギルドに所属するリナは、
後方支援専門のヒーラー《ケアラー》として戦場に立っていた。
正しい戦術を守り、回復を投げ、命令に従う。
それでも、仲間は死んだ。
「回復がある限り、人は前に出て死ぬ」
そう気づいたリナは、
ある任務で“盾を拾い”、一歩前に立つ。 評価はされない。
危険だと言われる。
女なのに、無茶だと囁かれる。
それでも――倒れなかった。
魔王城にいるという“異端の盾”の噂。
回復しながら殴られ、後ろに立たないという奇妙な戦い方。 その噂に背中を押され、
リナは最も不遇とされる上位職《メイス盾》を選ぶ。
強くなくていい。
正しくなくていい。
ただ、生き残れ。
これは、一人の英雄の物語ではない。
“生き残り方”そのものが、世界に連なっていく物語だ。