あらすじ
激しい雨の夜、少女エルソーナは森の奥に住む男オーフラの家を訪れる。オーフラは無口で冷たい態度をとりながらも、彼女を家に入れ、簡単な仕事を与えて共に暮らし始める。エルソーナは毎朝畑で作物を収穫し、昼は家の書斎で本を読んで過ごすようになる。
ある日、エルソーナは書斎で「魔王討伐記」という本を見つける。そこには、勇者たちと共に魔王を討伐した僧侶フルーラの名前が記されていた。フルーラはエルソーナの母だった。
やがてオーフラに連れられて村の跡地を訪れたエルソーナは、かつて自分が住んでいた村が焼け落ちているのを見る。彼女は、村の人々の妬みによって土地神への生贄に選ばれたこと、そして自分を逃がした母フルーラの行動によって村が滅ぼされてしまった過去を思い出す。その夜、エルソーナが母のことを思い泣いていると、オーフラもまたフルーラの名を呼びながら涙を流す。
翌朝、エルソーナが目を覚ますとオーフラはすでに息絶えていた。残されていた手紙には、彼がかつてフルーラと共に魔王を討伐した仲間であり、実は魔王軍の魔物だったことが書かれていた。そして彼女に王都へ行くこと、さらに自分と同じ顔をした男を探すように伝えていた。
エルソーナはオーフラの亡骸を村の近くに埋めると、母とオーフラの想いを胸に、王都へ向かって歩き出すのだった。