あらすじ
人の記憶とは、完璧に思えて穴だらけだ。
10年前から始まった、この穏やかで、少しだけ不便な暮らし。
高身長で少しだけ古風なこだわりを持つ私は、自作の視覚デバイス『PED』を相棒に、日々のささやかな献立を日記に綴っている。
仕事帰りに寄る馴染みのジャンク屋、そこで交わす他愛のない会話。
そして、キッチンから漂う美味しそうな香り。
「夕食の記憶が少しだけ薄いのは、きっと、今日という日が充実しすぎているせいだろう」
これは、どこにでもいる「メガネさん」の、穏やかで完璧な日常の記録。
本日の事故、0件。
私は今日も、幸せな「赤(ボロネーゼ)」から一日を書き始める。