あらすじ
書と歌を尊ぶ国――メモリア王国。
その国には、神の声を語り、記憶を整える存在がいる。
人々は彼女を神凪、あるいは神の花嫁と呼んだ。
幼い頃から城で育った少女ノエリアは王子アスベルと共に学び、笑い、未来を語ってきた。
彼女はまだ知らない。
自分がいずれ忘れない神
記憶神《セファ=ノア》と深く結びつく運命にあることを。
神はすべてを覚えている。
人が忘れた痛みも、失われた祈りも。
そして、その重さに、静かに壊れかけていた。
神を救うために必要なのは語り部。
だが国は定める。
神は神凪を愛してよいが、神凪は神を愛してはならない。
これは、忘れることを許されない神と
選ぶことを許された人間たちの物語。
記憶は、罪か。
それとも、救いか。