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誰かが何かを手に入れるたび、世界のどこかが少しだけ減っている。 これは、その「差し引き」を記録する連作短編だ。 第1話「12万円の夜」では、夜間救急で猫を連れて走る兄弟。 払う金は減らないが、迷いを減らすために“共同積立”という手順を選ぶ。 数値と固有物が代償の形を映す。 人は時に支払い、時に躱し、時に誰かのために肩代わりする。 説明は最小、行為と手触りで“引き換え”の瞬間を見せる。 一話完結、現代文芸トーン。読後に少しだけ、迷いが減る物語。