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戦後十年。 荒廃した大地を駆けるのは、犬とも人ともつかぬ影――シバ。 彼が首に巻くのは、消えた師が遺した「赤いスカーフ」。 そして肩を覆うのは、意味の分からぬ刺繍が刻まれた「藍翠の羽織」。 獣の脚で荒野を走り、人の手で碑文を刻む。 代償を払ってしか力を得られない碑文術を操りながら、シバは追手に追われる逃亡者として生き延びてきた。 だが旅の途中、盗賊の少女、学匠の少年、そして星の声を聴く子供と出会い、彼の孤独な旅は仲間と共に「冒険譚」へと変わっていく。 赤は誓い。藍翠は遺志。 二色の布を背負う柴犬の冒険が、今はじまる。