あらすじ
世界を忘却の彼方へと沈める、白い絶望――『灰(アッシュ)』。
灰に触れた者は記憶を失い、やがて異形の怪物『灰人』へと変貌する。
過去の悲劇から心を閉ざした青年調律士アレンは、生存者ゼロとされた灰の街で、防護服も着ずにただ一人唄い続ける少女、エリスと出会う。
彼女の歌声は、世界を侵す灰を拒絶する古代の旋律。
しかし、それは世界の歪みを修正(レトゥーシュ)するたびに、彼女自身の記憶と存在を消滅させていく残酷な呪いでもあった。
「お前が何度すべてを忘れても、俺が何度だって、お前の運命を書き換えてやる」
これは、すべてを失っていく歌姫と、彼女にすべてを捧げる調律士が紡ぐ、たった一人の運命を巡る、凄絶で美しいダークファンタジー。