ページ:1(2件表示) / タグ一覧へ
離婚届を箸置きにしようとする夫婦、シンデレラ昇格試験に挑むギャル、山頂の概念がバグった登山女子――。本作は、本来交わるはずのない不条理な断片が、圧倒的なスピード感で強引に接続され、暴走していく様子を描いた不条理劇である。論理も文脈も放棄された物語は、スリッパによる物理攻撃や強制的な時間リセットを経て、司会者による残酷な種明かしで幕を閉じる。 実は本編は、お笑い賞レース「暗礁-1グランプリ」で落選し、構成もオチも行き詰まって(暗礁に乗り上げて)しまった芸人たちの「ボツネタ」を、一つの舞台に無理やり繋ぎ合わせたメタ・コント小説だったのである。
「D列15番……って、壁じゃねーか!」 不運な男・袋池テツオは、静かにイベントを観劇しようと会場を訪れたはずだった。しかし、運営のミスによる座席消失、ダブルブッキングと、入場早々トラブルに見舞われる。 ようやく席に辿り着いたテツオを待っていたのは、なんと「第3回・全日本慌てんぼうグランプリ」のステージからの指名だった。身に覚えのない“推薦枠”として勝手にエントリーされ、あろうことか家族が投稿した「実の妹をナンパした」という黒歴史を全国に晒される羽目に。 怒り狂ってステージに乱入したテツオだったが、そのあまりに「天然」で「破壊的」な慌てっぷりは、プロの出場者たちをも戦慄させる。本人の意思とは裏腹に、運命は彼を「慌てんぼうの頂点」へと押し流していく。