あらすじ
最初は、ただのバズ動画だった。
夜中のTikTokに流れてきたのは、
テキサス州が発行したという
赤い紙幣の映像。
その紙幣の中には、
本物の24Kゴールドが
埋め込まれていた。
「ドルが死んでも、
これなら生き残れる。」
Z世代の少女ゆづきは
軽い気持ちで一枚注文し、
ライブ配信で光に透かした。
動画は一晩で
100万再生を突破する。
しかし、翌朝、世界が動いた。
掘ルムズ海峡緊張激化、
原油価格暴騰、ドル急落。
銀行アプリは凍結し、
日本では現金が
信用されなくなり始める。
そしてテキサスでは――
150万人のプレッパーが集結し、
土地と水とゴールドを頼りに
「国家崩壊後の世界」
への準備を始めていた。
証券会社に
40年勤めた祖父は知っている。
相場は読める。
暴落も読める。
だが「まさか」だけは
読めない。
これはただの陰謀論なのか?
それとも国家が切り替わる
前触れなのか?
赤い紙幣に埋め込まれた金は
静かに光り続ける。
それは通貨なのか。
生き残りのチケットなのか。
そして今日も世界は、
何事もない顔で続いている。
――本当に「まさか」が来る、
その日までは。