あらすじ
「冬の童話祭2026」の作品。テーマは「きらきら」冬きらきら──思い浮かぶのは──雪あかりに照らされて邸内に響く声「吉良!」「吉良は何処!」「吉良!吉良!」……。
……赤穂の家老・大石蔵之介は、強さや正義よりも「ええカッコしい」を大切にする男だった。殿を失い、行き場をなくした家臣たちに、彼は復讐や善悪を説かず、「みっともなく生きないこと」だけを語る。恥を忘れず、背中をまっすぐに保つこと──それが武士の生き様だと。蔵之介は自ら汚れ役を引き受け、仲間が誇りを失わぬよう支え続ける。
やがて彼らは雪の夜、それぞれの事情と恥を胸に、ただ「こう在りたかった自分」の背中を見せるために歩き出す。
これは復讐の物語ではなく、恥を力に変えて生きた「ええカッコしい」たちの静かな童話である。