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指先ひとつで世界をひっくり返せるほどの力を持たされて、見知らぬ異世界に放り込まれた。 だから、誰にも関わらず、誰の運命にも触れず、辺境の宿屋の三階でひっそりと息をして生きていくと決めた。 英雄にも聖女にも、誰かのために燃え尽きるよだかの星にもなれない。 それでもそんなチート能力を忌避するくせに、今日の白湯を温めることは、荒れた手を治してしまうことは許してしまう甘えと欺瞞。 これは物語が起こらないことを願いながら、しかしこの力を捨てることもできない私の、透明で浅ましい、日々の物語。