あらすじ
2013年夏
「女みたいな名前」とバカにされ、現実(クソゲー)に見切りをつけた15歳の引きこもり・灰実(はいみ)。
彼は灰色のデータ海(MMO)で最強のプレイヤーとして君臨していたが、サービスは終焉寸前。時代はコンシューマーへ移行していく。
PS3の軍資金を得るため、かつて黒歴史とともに押し入れに封印した「炭のようなギター」をハードオフへ売りにいくことに。
しかし査定待ちの路地裏で、無意識にネトゲの愛馬(カイリュウ)を召喚する呪文をギターに乗せて叫んだところ――
「すげー! 今年の親しみやすいポケモン1位の歌だ!」
「ポフレ(おやつ)を食べるために敵を噛みちぎるんだね!」
たまたま通りかかった小学生たちに、最新作のポケモンと盛大に勘違いされてしまう。
「違う、俺のカイリュウは敵の生肉を喰らう狂戦士のマウントで……」
という訂正も虚しく、引くに引けなくなった灰実はヤケクソでギターをかき鳴らす。
セッションはカオスな熱狂の渦へ。
誰にも相手にされなかった孤独な少年が、“音”という誤解を通じて世界と接続してしまう。
路地裏の子供たちから「神(ロックスター)」として崇められるまでの、笑いと狂気が混線した十五分間。
のちに地下のライブハウスで傷ついた「野良犬」たちを束ねるカリスマの、誰にも語られることのない“発生ログ(エピソード・ゼロ)”が、今ここに刻まれる――!!
【帯の煽り文】
「はかいこうせんで世界を割れぇぇぇ!!」
――現実を捨てた少年が、“誤解”だけで音楽(ノイズ)に到達する、哀愁コメディ!