あらすじ
深夜の隔離施設で、
完全に密閉された死体袋が直立したまま跳び跳ねるという異常現象が発生する。
現場に居合わせた一般人の主人公は、
それを「奇妙だが危険ではないもの」と誤解し、
警告を知らないまま死体袋に触れてしまう。
その瞬間、主人公は
激しい眩暈と吐き気、動悸、平衡感覚の喪失に襲われ、
恐怖とは異なる、生理的な拒絶反応を経験する。
後から現れた道士は、
この現象を
極端に活性化した「陰」の存在と説明し、
墓地では符が効きにくいのと同じように、
陰が濃すぎる場所では一般的な対処法が通用しないと語る。
主人公は理解しきれないまま、
もち米や儀式道具によって
死体袋の動きがわずかに抑制される様子を目撃する。
自分が触れたことで起きた体調不良が
偶然でも恐怖でもないと悟った主人公は、
「これは一般人が関わってはいけない現象だ」
という結論に至る。
物語は、
異常が日常のすぐ隣に存在し、
無知な接触が取り返しのつかない結果を招くことを示しながら、
静かな不安を残して幕を閉じる。