あらすじ
東京湾岸の倉庫街で、京東大学法医学教室の解剖医・九条雅紀が殺された。
遺体の胃から見つかったのは、二つの名を背負う小さな名札。
片面には『K-19 不詳男性』、もう片面には三年前に死亡したはずの男の名があった。
幼馴染の刑事・真壁彰は、九条が命を賭して残した最後の証拠を追う。
死体に貼られた名前は、誰のものなのか。
死んだはずの男は、なぜ生きているのか。
遺体搬送、身元確認、司法解剖、死亡届。
人を死者に変える手続きの奥で、誰かが名前を奪っている。
死者の声を聞く者たちが、記録から消された真実へ迫る法医学ミステリー。
すべての謎は、解剖台の上に置かれた一片の証拠から始まる。
最後に、彼が守った名は、誰に届くのか。
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真壁彰……警視庁捜査一課の刑事。幼馴染である九条の死に隠された真実を追う。
九条雅紀……京東大学医学部法医学教室の解剖医。殺害され、胃の中に最後の証拠を残す。
二階堂壮也……警視庁広報課。事件の情報流出を抑えながら、真壁を支える。
堀島岳斗……九条の後輩にあたる若手法医学者。恩師の死を前に、解剖台へ向き合う。
篠原千景……警視庁鑑識課・身元確認支援係の主任。死者の名前を照合する専門家。
深山透……三年前に死亡したはずの男。だが、その名前は九条の胃から見つかった。
深山絹江……深山透の母。息子はまだ生きていると訴え続ける老女。
白石遥斗……遺体搬送会社の関係者。死体と名札をめぐる疑惑の線上に浮かぶ男。
本郷剛泰……京東大学法医学教室の教授。九条の周辺で、過去の記録に関わる人物。
高瀬凛……支援団体の代表。死者と生者の境界に関わる相談者たちを知る女性。
K-19……九条の胃から出た名札に記された、不詳男性を示す番号。