あらすじ
私は、見てしまった。
深夜二時過ぎ、眠れない夜に窓の外を見ると、向かいの時計店の裏口から男が出てきた。重い荷物を抱えて、暗い路地を東へ歩いていく。
翌朝、私はそれをメモ帳に書き留めた。
記者だったから、気になることを書き留める癖がある。それだけのことだ。三年前に会社を辞めた今の私には、何かを追いかける資格も理由もないのだが。
でも、深夜が来るたびに、気づけば窓のほうを向いていた。
隣人の深夜の電話。旧友の不自然な視線。商店街で聞こえてくる、夜中の金属音。何も繋がっていないはずの点が、少しずつ、形を持ち始める。
私が恐れているのは、あの時計店の男のことではない。
私が恐れているのは——もしかしたら、------------かもしれない、という予感だ。
地方都市の片隅で、一人の女が「事件」を追う。
しかし本当の謎は、-----にあった。
この作品はフィクションです。本作に登場する人物や名称などは架空のものであり、実在する人物や名称などとは一切関係ありません。