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むかしむかし、あるところに、慎ましく暮らす老夫婦がおりました。笠を作って売り歩くお爺さんは、雪深いある日の夜、売れ残った笠をお地蔵様に被せてつぶやきます。 「……もう、儂には必要のないものじゃから、もらってやっておくれ」 代官の暴虐が村人たちを追い詰め、笠連判状に名を連ねた者たちが決死の覚悟で鍬を握る。しかし裏切者の密告により蜂起はすでに代官に知られていた。お爺さんは迫る松明を見つめる。 「誇りと共に死のう」 侍の白刃がお爺さんに迫るとき、地蔵の瞳に光が灯る――