あらすじ
剣の腕と判断力には自信がある。
だが、ヴァレリアはいつも誤解される。
戦闘中、最善だと思った行動を取れば、
「勝手に動くな」と責められる。
依頼を成功させ、誰も怪我をしなかったとしても、
最後に残るのは決まって同じ言葉だった。
――お前は強い。でも、扱いづらい。
説明ができないわけではない。
ただ、言葉にするより先に身体が動いてしまうだけだ。
結果を見てほしいと思っても、それが伝わることはない。
また一つ、居場所を失った夜。
ヴァレリアは「器用に生きられたら楽なのに」と呟く。
そんな彼女の耳に、辺境のギルドの噂が届く。
問題児ばかりが集まる場所。
だが、不思議と生きて帰る冒険者が多いという。
説明しなくても、判断を見てくれる人がいるらしい。
これは、不器用な剣士が、
もう一度だけ誰かを信じてみようと思った日の物語。