あらすじ
結婚式の日、花婿のシリル様は教会に現れなかった。
残されたのは、純白のドレスを着たまま泣き崩れたセシリアお嬢様と、たった一通の手紙。
「あなたと結婚はできない」
その日から、お嬢様は王都で「捨てられた花嫁」と呼ばれるようになった。
けれど私は、侍女としてどうしても納得できなかった。
結婚式の前日、シリル様は確かにお嬢様を愛しているように見えたのだ。
なぜ、花婿は結婚式に来なかったのか。
なぜ、何も告げずに姿を消したのか。
真実を知りたいと願うお嬢様のため、私はシリル様が口にしていた「デルタ」という名の友人を探し始める。
やがて明らかになるのは、国境沿いの孤児院、王国が見捨てた土地、そしてシリル様がすべてを捨てて守ろうとしたもの。
これは、捨てられた花嫁と呼ばれたお嬢様が、もう一度、自分の意思で立ち上がる物語。